よく見てみよう! 薬局の「お会計」

薬局のきほん

お薬をもらうために処方箋を持って保険薬局へ行き、最後に行う「お会計」。実は、2年ごとに見直されるのをご存じでしたか?

 一言に「お会計」といっても、お薬自体の費用以外にもさまざまな項目が組み合わさって計算されており、それぞれの項目の値段(=調剤報酬点数)は、2年ごとに見直されています。よくわからないまま薬局でお会計を済ませてしまっている方もいらっしゃるかと思いますが、実は定期的に変更されています。

 「お会計」の内訳は、領収書と一緒に発行される「調剤明細書」に記載されています。このページでは、お会計の内訳をわかりやすくご紹介します。

 ぜひお手元にご自身の調剤明細書を用意してチェックしてください!

コレで明解!薬局の「お会計」の内訳

服薬指導を行う女性薬剤師

薬局で支払う「お会計」は、厚生労働省が定める「調剤報酬点数」という、1点=10円の点数からなっています。つまりこの点数が高くなるにつれて、皆さんのお会計も高くなってしまいます。

 調剤報酬の点数には、さまざまな項目があり、薬局・薬剤師が提供する医療サービスによってそれぞれ点数が付与されています。

 調剤報酬の大きな構成要素は以下の通りです。

調剤技術料はさらに「調剤基本料」「薬剤調製料」「各種加算料」の3項目に、薬学管理料は「調剤管理料」と「服薬管理指導料」の2項目に分かれています。

いかがですか?次回薬局でお薬を受け取った際には、ぜひ調剤明細書を確認してみてください。日本調剤では、領収書と一緒にレシートサイズの「調剤明細書」をお渡ししています。
調剤明細書のサンプル

知ってトクする!「調剤報酬」のポイント

薬局や薬剤師が提供するサービスへの対価である「調剤報酬」は、患者さまにより良い医療サービスを提供するために、2年に1度見直されています。

 ここでは調剤報酬の主なポイントを解説します。

【1】あなたの薬局はどのタイプ?それぞれ異なる「調剤基本料」

薬局ごとに定められている「調剤基本料」は、薬局の立地や処方箋の受付回数等によって点数異なります。
調剤基本料の表(2022年4月時点)

※2022年4月時点

皆さんがご利用の薬局が、どの基本料を算定しているのかは調剤明細書に明記されていますので、ぜひ確認してみてください。

Q.どうして薬局の立地や規模の違いで点数に差があるの?

A.2016年4月の調剤報酬改定から、国から求められている役割や機能によって、薬局に「調剤基本料」という点数(評価)がつけられるようになりました。


 これは日本の医療が高度に発展した結果、医療費も高騰してしまったので、配分を見直さなければならなくなったためです。


 街なかにある薬局(いわゆる面対応薬局)は、地域に根差し住民の方々が生き生きと暮らしていけるよう、健康サポートを行うことが求められています。また、万が一病気になっても住み慣れた家を離れなくてもいいように、かかりつけの薬局が使用中の全てのお薬の情報をまとめて継続的に把握し、他の医療従事者と連携を取りながら在宅医療の提供を行ったり、24時間対応したりすることも求めています。

 皆さんの身近な生活圏の中にあって、この求めに対応する『かかりつけ薬局』にはコストもかかってしまうため、国から高い点数(評価)がつけられるようになりました。


 これに対し病院の前にある薬局(いわゆる門前薬局)や病院の敷地内にある薬局はたくさんの患者さまにご利用いただけます。こういった立地の薬局は効率的な経営が可能だろうという見解に基づき、点数を下げるようになりました。

【2】お薬手帳を持てばおトク?!「服薬管理指導料」

「服薬管理指導料」とは、薬剤師が患者さまに安全にお薬を使用していただくために必要な情報の収集・分析・管理・記録や、お薬のお渡しの際の説明に対して与えられる報酬(点数)のことです。

 皆さんがこれまでに使用してきたお薬や、現在使用しているお薬の情報が記載されている、大事な情報源である「お薬手帳」の持参を心がけていただくために、手帳を持参すると医療費のご負担が軽くなるようになっています。
1. 原則3カ月以内に同じ薬局に再度処方せんを持参し、お薬手帳を持参した場合 ・・・・・45点
2. 1.以外の場合 ・・・・・・59点
3. 特別養護老人ホームの入所者の場合 ・・・・・45点

お薬手帳は皆さんが今使っているお薬との飲み合わせを確認したり等、安心してお薬をお使いいただくために大事なものです。病院を受診する際には必ずお薬手帳を持参するようにしましょう。

 日本調剤では、お薬手帳アプリ「お薬手帳プラス」を提供しており、全国の日本調剤の薬局で紙のお薬手帳と同様にご利用いただけます。

お薬手帳プラス

【3】ジェネリックを選べばもっとおトクに!「薬剤料」

年々増加する医療費を抑えるために、お薬そのものの値段である「薬剤料」も調剤報酬改定のたびに見直されています。

 最近、国内では新薬の特許が切れた後に販売される安価な「ジェネリック医薬品」の使用を推進しており、「ジェネリック医薬品」をご利用いただくと、「薬剤料」を新薬の約2~7割抑えることができます。

 ジェネリック医薬品の場合、新薬と同等の有効性や安全性があるだけでなく、お薬の形を小さくしてあったり、苦みを抑えるためにコーティングを施していたり、より飲みやすくなるように工夫・改良が重ねられています。

上にご紹介したもの以外にも、薬局・薬剤師が提供するサービスによって調剤報酬は細かく定められています。「調剤報酬についてもっと深く知りたい!」という方は、薬局内に必ず調剤報酬点数表が掲示されていますので、ご覧ください。

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