健康に過ごすために考えよう!バランスの良い食生活【栄養だより2021年1月号】
栄養のはなし
健康を維持するためには規則正しい食生活が必要不可欠です。食事のバランスや摂るべき量について改めて考えてみましょう。
適正エネルギー量を知ろう
1.まずは、BMI(肥満度)を計算しよう
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMIが22のときの体重が標準体重で、最も病気になりにくいとされています。年代別の目標BMI範囲は以下の通りです。
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
3.最後に、適正エネルギー量を計算しよう
適正エネルギー量(kcal)=標準体重(kg) × 25~35(kcal)/kg*
*身体活動量(1日の運動量)によって計算時に用いる係数が異なりますので、以下からご選択ください。デスクワークが多い現代人は「低い」に該当する方が多いでしょう。
低い(1日をほとんど座って過ごしている) … 25~30kcal
普通(立ち作業が多い、軽いスポーツをする) … 30~35kcal
高い(力仕事の多い仕事、体を動かすことが多い) … 35kcal~
適正エネルギー量 計算例
BMI=1.6m×1.6m×22≒56.3kg
適正エネルギー量=56.3kg×25~30≒1410~1690kcal/日
※医師の指示がある方は指示に従いましょう。
食事のバランスについて考えよう
ごはん・パン・麺などの穀類。炭水化物を多く含む。
主菜
肉・魚・卵・大豆を使った料理。たんぱく質・脂質を多く含む。
副菜
野菜や海藻を使った料理。ビタミン・食物繊維を多く含む。
もっと!食事バランスを整えるには?
主食・主菜・副菜に加えて毎日コップ1杯の牛乳や適量の果物(みかん2個またはりんご半分が目安)を食べましょう。ビタミン・ミネラルを補給することができます。
1日200kcal(煎餅3枚または板チョコ1/2枚)以下を目安にしましょう。
献立を考えてみよう!
主菜を先に決めると献立を考えやすくなります。肉・魚・大豆・卵を使い、焼・煮・炒などの調理法と味付けを決めます。
副菜
野菜・海藻・きのこ・芋を多く使い、主菜とは調理方法や味付けを変え、毎食2品考えましょう。
汁物
野菜・海藻・きのこなどを使って考えます。具だくさんにすることで副菜の1つとしても数えることができます。
「手ばかり栄養法」で食べる量を確認!
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手ばかり栄養法とは、自分の手のひらを使って1日に食べる食材の量を決める手法のことです。その食材を朝食・昼食・夕食の3食に均等に振り分けて一食の量を考えます。果物や牛乳は間食として取り入れてもよいでしょう。
魚介 / 肉 / 卵 / 大豆・大豆製品
…左手に乗る大きさの魚と肉、右手に乗る大きさの豆腐と卵が一日分です。肉の厚さは小指の厚さが目安です。
緑黄色野菜 / 淡色野菜 / 海藻 / きのこ類 / こんにゃく
…両手に1杯の緑黄色野菜と、両手に2杯のその他の野菜が一日分です。
果物
…両手の人差し指と親指で作った輪の中に入る大きさが一日分です。
穀類 / いも類 / 牛乳・乳製品
…じゃがいも中1個、牛乳200mlが一日分で、加えて毎食軽く1杯~1杯半のごはんを食べましょう。
管理栄養士のお悩み解決部屋
最近、食べられる量が減ってしまったの……どうしたらいいかしら?
●おにぎり1個(約180kcal)
●ゆで卵・出し巻き卵1個(約80~90kcal)
●バナナ1本(約100kcal)
●カステラ2切れ(約320kcal)
●ヨーグルト80g(約50kcal)
●普通牛乳1杯(約140kcal)
●ココア1杯(約130kcal)
※医師の指示がある方は指示に従いましょう
【参考文献】厚生労働省.”栄養・食生活”.スマート・ライフ・プロジェクト.https://www.smartlife.mhlw.go.jp/disease/nutrition/,アステラス製薬株式会社.”4.適正なエネルギー量(カロリー)の食事”.https://www.astellas.com/jp/ja/diseases/moreinformation-03/lifestyle01-04,厚生労働省.”日本の食事摂取基準”. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html,農林水産省.”おやつの意味を知りましょう”.https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/oneday/idea2.html,宝塚市.”中学校 給食だより(平成30年3月分)”.https://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kyoiku/1008934/gakkorecipe/1020803/1020576.html,いわさきグループ.”手ばかり栄養法とは?”.http://www.foodmodel.com/category04/f_50.html, 公益財団法人長寿科学振興財団.”高齢者の低栄養対策のための食生活とは”.健康長寿ネット.https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/shokuji-katsudou.html
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