骨を強くしよう!骨粗しょう症【栄養だより2020年3月号】

栄養のはなし

包帯が巻かれた足首
日本調剤の薬局(一部のみ)では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。

食事のひと工夫で、骨粗しょう症を予防しよう!

年齢とともに気になる…骨粗しょう症って?

骨は「形成」と「破壊」を繰り返し、骨の状態を維持しています。骨粗しょう症は、この形成と破壊の代謝のバランスが崩れ、骨がもろくなり骨折リスクが高くなった状態のことを言います。原因として、加齢・閉経後の女性ホルモンの減少や、食事・運動などの生活習慣が影響すると考えられています。

高齢者の骨折は寝たきりにつながる原因にもなり、生活の質(QOL:Quality of life)に影響を及ぼすこともあるので予防が大切です。

丈夫な骨をつくる!積極的に取りたい3つの栄養素

カルシウム

骨粗しょう症予防のために推奨される摂取量は、男女共に700~800mg/日です。


<カルシウムを多く含む食材>

・いわし、じゃこ、しらす

・厚揚げ、納豆

・小松菜、わかめ

・牛乳、スキムミルク、ヨーグルト、チーズ

釜揚げしらす

厚揚げ

カルシウムUPのためのひと工夫

  • スキムミルク
    ●栄養補給のため1日3食とりましょう。

    ●スキムミルクを活用しましょう。飲み物としてだけでなく、卵焼きや炒め物、クリーム煮など、料理に加えると効率よく摂取できます。

    ●魚は骨まで食べましょう。骨まで食べられるじゃこやしらす、マリネ、南蛮漬けなどがおすすめです。

ビタミンD

カルシウムの吸収を促す働きがあります。


<ビタミンDを多く含む食材>

・鮭、さんま、いわし、ぶり

・きのこ類

※しいたけは生より干したものの方がビタミンDを多く含みます。

鮭の切り身

きのこ類

ビタミンK 

骨の形成を促す働きがあります。

※抗凝固薬を服用している方は、医師の指示に従いましょう。


<ビタミンKを多く含む食材>

・小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、モロヘイヤ

・納豆

小松菜

納豆

骨のために…取りすぎ要注意!な3つの栄養素

リン

リンはカルシウムとくっつきやすい性質があります。そのため大量にリンを摂取すると、腸内でカルシウムとくっつき腸管内に吸収され、体内に取り込まれずにそのまま便に混ざって出てしまいます。リンを多く含む食品の取りすぎには注意しましょう。


<リンを多く含む食品>

レトルト・加工食品、清涼飲料水、スナック菓子など



塩分

塩辛い食品にはナトリウムが多く、カルシウムの尿からの排出を増進させます。

減塩のポイント

●みそ汁は1日1杯を目安に。野菜やきのこで具だくさんにしましょう。

●香辛料を使って、味にメリハリをつけましょう。

●しょうゆ・ドレッシング類は「かける」より「少しだけつける」ようにしましょう。

●麺類の汁は残しましょう。

●減塩しょうゆや減塩みそを利用しましょう。

カフェイン・アルコール

カフェイン・アルコール類は利尿作用があるため、飲みすぎると尿と一緒にカルシウムも排出されてしまいます。また、アルコールの摂取量が増え、肝臓に負担がかかると、カルシウムの吸収が低下することがあります。


<カフェインを多く含む食品>

・ コーヒー、紅茶、玉露

・ チョコレート、ココア等

アルコールの適量の目安(1日あたり/男性の場合)

・ビール:中瓶1本(500ml) 

・日本酒:1合(180ml)

・焼酎(35度):2/5合(約70ml)


※女性は男性よりも少ない量が適当です

管理栄養士のお悩み解決部屋

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう…どうしたらいいの?

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするのは、牛乳中の糖質である「乳糖」を消化する酵素が少ないか、働きが弱いために起こります。また、ひどく下痢を起こす症状を「乳糖不耐症」といいます。

お腹がゴロゴロしにくくなるためのポイントをまとめましたのでチェックしてみてください。

お腹がゴロゴロしにくくなるアドバイス

  • ●温めた牛乳を少しずつゆっくり飲む

    ゆっくり少しずつ飲むことで消化されやすくなります。また、温めることで腸の中の酵素の働きが活発になります。

    ●ヨーグルトやチーズを食べる

    ヨーグルトやチーズは、お腹がゴロゴロする原因となる乳糖が既に分解されているので、お腹がゴロゴロしにくいと言われています。

    ●食事と一緒に取る

    他の食品と一緒に取ることで、乳糖の影響を受けにくくなります。料理に使用するのもおすすめです。

     例:クリームシチュー、リゾット、ミルク煮

野菜を持ってる管理栄養士

日本調剤の「認定栄養ケア・ステーション」では、地域密着型の栄養ケアの拠点として幅広く手厚いサポートを行っています。疾病に関する食事療法のご相談や献立の考案も承りますのでご相談ください。
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【参考文献】厚生労働省. “骨粗鬆症”. e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-043.html, 骨粗鬆症予防対策ガイド.骨を強くする三大要素「骨密度」「骨量」「骨質」, 骨粗鬆症財団. カルシウムを多く含む食品, 骨粗鬆症財団. ビタミンDを多く含む食品, 骨粗鬆症財団. ビタミンKを多く含む食品, 公益財団法人骨粗鬆症財団. “予防について”. http://www.jpof.or.jp/faq/faqprevention/, 公益財団法人長寿科学振興財団. “骨粗鬆症予防の食事レシピ”. 健康長寿ネット. https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyou-shippei/hint-kotsusoshoushou.html, MSD株式会社. 骨粗しょう症の方のためのやさしい食卓, MSD株式会社. 高血圧症の方のためのやさしい食卓, 株式会社明治. “牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするのはなぜですか”. http://qa.meiji.co.jp/faq/show/592?site_domain=default

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