季節の変わり目は要注意!「春バテ」に気をつけよう【栄養だより2020年4月号】

栄養のはなし

頭を抱えるスーツの男性
日本調剤の薬局(一部のみ)では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。

「春バテ」とは?

春は入学や就職など新生活が始まる季節である一方、約9割の人が体と心にさまざまな不調を感じると言われています。この不調を「春バテ」といいます。予防と対策を十分に行い、元気に新生活を迎えましょう!

「春バテ」チェックリスト

  • デスクにうなだれるスーツの男性
    □ 体がだるい

    □ やる気が出ない

    □ 目覚めが悪い

    □ イライラする

    □ 昼間眠くなる

    □ 夜眠れない


    1つでも当てはまった方は「春バテ」の可能性があります。予防と解消のために、生活習慣を見直しましょう。

「春バテ」はなぜ起きるの?

春は気圧の変化や寒暖差が大きい季節です。また、入学や転勤など生活環境が変化すると、気付かないうちにストレスを溜めてしまうことも。そんな気象や生活の変化によって自律神経が乱れてしまうことが「春バテ」を引き起こす要因の一つです。


「春バテ」しないために…自律神経を整えよう!

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経から成り立ち、体の器官を調節するため24時間働き続けています。
元気に飛び跳ねる女性

交感神経【緊張】

体の活動時や昼間に活発になります。
ソファでコーヒーを飲む女性

副交感神経【リラックス】

安静時や夜に活発になります。
通常は、2つの神経がバランスを取り合うことで心身の調子が保たれています。激しい寒暖差や環境の変化などのストレスがあると交感神経が優位になり、疲れ、だるさ、眠気、肩こり、めまいなどさまざまな不調が起こりやすくなります。「春バテ」しないためには自律神経を整えることが大切です。

自律神経を整える食事のポイント

●食事は1日3回しっかり食べる

かむ動作によって脳は安らぎを感じると言われています。また食事の時間を確保することで心に余裕も生まれます。


●起床時にコップ1杯の水を飲む

水分補給によって、腸が刺激され動きが活発になり、さらに血流も良くなります。

5つのおすすめ栄養素

ビタミンA

副交感神経を整える働きがあります。

<ビタミンAを多く含む食材> 豚肉、鶏肉、うなぎ、鮭、人参


ビタミンB1

自律神経に作用します。

<ビタミンB1を多く含む食材> 豚肉、かつお、卵、玄米ごはん、にんにく


ビタミンC 

ストレスで消費されやすいので意識して取りましょう。(ストレスを軽減するホルモンの生成を促します。)

<ビタミンCを多く含む食材> イチゴ、柑橘類、キウイ、パプリカ、ブロッコリー


ビタミンE

自律神経の働きを整える働きがあります。

<ビタミンEを多く含む食材> 大豆製品、ナッツ類、ほうれん草、ブロッコリー


カルシウム

イライラや不安を抑える働きがあります。

<カルシウムを多く含む食材> 大豆製品、乳製品、小魚、小松菜


管理栄養士のお悩み解決部屋

疲れたときによく栄養ドリンクを飲んでいるけど、どんな成分が含まれているの?

栄養ドリンクには多くの栄養素が含まれていますが、主に含まれている成分を紹介します。

栄養ドリンクに含まれている主な成分

  • 手に握られた栄養ドリンク
    糖質

    糖分を取ることで血糖値が一気に上がり、一時的な疲労回復が期待できます。糖尿病の方は注意が必要です。


    ビタミンB1

    糖質をエネルギーに変えるときに不可欠な栄養素です。脳を活性化させる働きがあります。


    カフェイン

    商品によって30~50mgのカフェインが含まれています。カフェインには覚醒作用があり、集中力を高めたいときなどに効果的です。現在、日本では1日の摂取量に制限はありませんが、取りすぎには注意が必要です。

手軽に栄養補給ができる栄養ドリンクですが、疲労回復を栄養ドリンクだけに頼るのは危険です。個人差はありますが過剰摂取による健康被害も報告されていますので、決められた用法・用量を守りましょう。
栄養だより2020年4月号(PDF)

【参考文献】花王株式会社・パナソニック株式会社.“春の寒暖差で約9割が「春バテ」!自律神経を整える春バテ解消法”.ウェルラボ.https://www.well-lab.jp/seasonal/harubate/1000/,武田コンシューマーヘルスケア株式会社.“自律神経の乱れ”.タケダ健康サイト.https://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=jiritsumidare,株式会社ウィルオブ・ワーク.”自律神経を整える方法”.いろはにかいご.https://1682-kaigo.jp/article/000065,株式会社わかさ生活.“ビタミンB1”.わかさの秘密. http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/vitamin-b1/,沢井製薬株式会社.“季節の変わり目は体調の変化に注意!”.サワイ健康推進課. https://kenko.sawai.co.jp/healthcare/201804-02.html,株式会社日経BP.“知っていますか? 自分のカフェインの「安全量」”.ヘルスup日経Gooday30+. https://style.nikkei.com/article/DGXMZO95861590X00C16A1000000/,厚生労働省.“食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A”. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html, 江崎グリコ株式会社.“ビタミンB1”.栄養成分百科. https://jp.glico.com/navi/dic/dic_19.html

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