肌の潤いを保ち、トラブルを防ごう!乾燥肌の予防法【栄養だより2023年1月号】

栄養のはなし

腕に保湿クリームを塗る人
日本調剤の薬局(一部のみ)では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。


冬は空気の乾燥、暖房器具の使用、皮脂や汗の分泌量減少などにより、肌トラブルを招きやすい季節です。肌がカサカサする、かゆみがあるなどでお困りの方も多いのではないでしょうか?今回は乾燥肌を予防・改善するための生活習慣や食事のポイントについて、ご紹介します。

「乾燥肌」ってどんな状態?

「乾燥肌(ドライスキン)」とは、肌の水分を保持する角質層のバリア機能が崩れているために、水分が蒸発しやすく、皮脂量・水分量ともに不足している肌の状態を指します。そんな乾燥肌を予防するためには、「ターンオーバー」と呼ばれる皮膚細胞の新陳代謝を正常に維持することが重要だといわれています。

乾燥肌を引き起こす主な原因と対策

乾燥肌を予防するために重要なターンオーバーですが、さまざまな原因によって異常が引き起こされてしまいます。主な原因とその対策をあわせて以下の表で確認してみましょう。
①暖房器具の使用
加湿器を併用し、加湿器がない場合には、ぬらしたタオルを部屋に干して室内の湿度を上げる
②皮脂・汗の分泌量の減少
運動して汗をかき、新陳代謝を良くする
③熱いお風呂に長時間入る
40℃以下に設定したぬるめのお風呂に入る

入浴時間は長くなり過ぎないよう10分程度にしましょう

④水分不足
喉の渇きを感じる前にコップ1杯のお水を飲み、こまめに水分補給をする
⑤偏った食事
肉や魚、卵、大豆製品、野菜、果物など、いろいろな種類の食材を組み合わせて食べる

乾燥肌予防につながる日常生活のポイント

乾燥肌は、日常生活の一工夫で予防・改善することができます。特に入浴時、入浴後、睡眠では以下のポイントを押さえることが大切です。
タオルやネットなどのお風呂グッズ

入浴時

硬いナイロンタオルなどで肌をこすり過ぎると、角質層を傷つける原因となります。綿素材が使われている柔らかいボディタオルを使用する、もしくはネットで石鹸をよく泡立ててからやさしく洗うことを心掛けましょう。

また、セラミドやホホバ油、グリセリンなどの保湿成分が入っている入浴剤を使用することもおすすめです。

コットンに保湿液を出している女性

入浴後

入浴後の肌は、体から水分の蒸発を防ぐ働きをしているとされる皮脂膜が取れ、乾燥しやすい状態にあります。肌から水分が失われないうちに早めに保湿をしましょう。その際、保湿剤は擦り込まず、手のひらでゆっくりとやさしく塗ることが大切です。また目や口の周りひじすね足の裏などは乾燥しやすいので、時間をおいて重ね付けすることもおすすめです。顔の乾燥が気になる方は顔用パックも使用してみましょう。

間接照明のついた寝室

睡眠

睡眠不足は新陳代謝を遅らせ、皮膚細胞の代謝も悪くなってしまいます。細胞の修復・再生深い眠り(ノンレム睡眠)の時に促されるため、最低でも6時間は睡眠時間を確保しましょう。

管理栄養士のお悩み相談部屋

乾燥肌が気になります。食事ではどのようなことに気を付けたらよいでしょうか?

いろいろな食材と栄養素をバランス良く摂ること、そして大豆イソフラボンコラーゲンエラスチンを含む食品を取り入れるとよいでしょう。それぞれの成分に期待できる働きや、豊富に含まれる食品について、以下でご説明します。
豆腐や豆乳などの大豆製品

大豆イソフラボン

大豆製品に含まれる大豆イソフラボンには、細胞の新陳代謝を高め、肌の潤いを保つ働きがあるとされています。豆腐なら1/2丁、納豆なら1パック、豆乳なら200mlが1日に必要な摂取量の目安ですので、日ごろの食生活に取り入れてみましょう。

手羽先

コラーゲン、エラスチン

たんぱく質の一種であるコラーゲンとエラスチンには、乾燥肌の改善に必要な、肌の弾力を生み出す働きがあるとされています。肉や魚のにはコラーゲンにはエラスチンが多く含まれており、両方の成分を含む食品としては、手羽先や魚の皮、軟骨、牛すじ、豚足などが挙げられます。しかし、食べ過ぎは皮下脂肪の蓄積につながるため、食べる量や頻度には注意が必要です。

  • 野菜を持ってる管理栄養士
    日本調剤の管理栄養士へのご相談は、処方箋をお持ちでない方でも、どなたでもご利用いただけます。病気というほどではないけれど、ちょっと健康のことが気になるな……乾燥肌の予防・改善につながる食事について、もっと話を聞いてみたい!と思ったら、ぜひお気軽に、お近くの日本調剤までお立ち寄りください。
栄養だより2023年1月号(PDF)

【参考文献】大正製薬ホールディングス株式会社.”乾燥肌を改善するには?生活習慣を見直して体質改善しよう”.商品情報サイト.https://brand.taisho.co.jp/clinilabo/hepario/column/kansouhada003.html,全国健康保険協会.”12月 お肌の乾燥が気になる季節”. https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h23/1119-88003/,第一三共ヘルスケア株式会社.”乾燥肌の予防”.くすりと健康の情報局.https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/45_kansouhada/index3.html,大正製薬ホールディングス株式会社.”乾燥肌によい食べ物はある?美肌を目指す食事術”.商品情報サイト.https://brand.taisho.co.jp/contents/beauty/545/(閲覧日:2022年12月7日)

関連するタグ

関連記事

次の記事
来年も健康に過ごすために!年末の食事や過ごし方に気を付けよう【栄養だより2022年12月号】
日本調剤トップ お役立ちコラム 栄養のはなし 肌の潤いを保ち、トラブルを防ごう!乾燥肌の予防法【栄養だより2023年1月号】