“もしも”の災害に備えて!家族みんなの食品備蓄について考えよう【栄養だより2023年9月号】

栄養のはなし

ペットボトルの水と段ボールに入った備蓄食品
日本調剤の薬局(一部のみ)では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。

食品の備蓄はなぜ必要?

台風や地震、大雨などの災害は、発生するとライフラインの復旧まで1週間以上かかるケースが多くみられます。また、災害支援物資の到着まで3日以上かかることや、物流機能の停止によって1週間程度、スーパーマーケットやコンビニでも食品が手に入らない状況が想定されます。そのため、日ごろから災害を想定して食品を備えておくことが大切なのです。

備蓄食品の種類

備蓄食品は、主に災害時に使用するために常備する「非常食」と、日常と災害時の両方で使用する「日常食品」の2種類に分けられます。非常食は2カ月に1回は賞味期限を確認し、賞味期限の近いものは日常食品に回して買い替えるなど、普段からローリングストックを活用して備蓄しましょう。

食品備蓄の方法!ローリングストックって?

「ローリングストック」のサイクルを表した図

ローリングストックとは、普段から食品を少し多めに買い置きして、賞味期限の近いものから消費し、その後消費した分を買い足すという備蓄方法です。これによって、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態が保たれます。

備蓄する量は、家庭の人数×最低3日分を目安とし、できれば1週間分を備えておきましょう。ただし、食品が入手しにくい乳幼児や高齢者、食物アレルギーのある方(=要配慮者)には、2週間分を備えておきましょう。

要配慮者の方が備蓄しておきたい食品

哺乳瓶でミルクを飲む乳児

乳幼児

粉ミルク、液体ミルク、哺乳瓶

ミルクは紙コップとスプーン、もしくは哺乳瓶を使用して飲ませることを想定しています。哺乳瓶は使い捨てのものを使用することがおすすめです。


レトルトの離乳食

 離乳食を始めた乳幼児は、月齢に応じて食べるものが変化します。前の月齢のものを消費しつつ、次の月齢のものを買い足しましょう。また、普段からレトルトの離乳食を食べ慣れさせておくことも大切です。

とろみをつけたみそ汁

高齢者

栄養補助食品

低栄養予防のために、たんぱく質などの栄養補給ができる栄養補助食品を備えましょう。おすすめは、食欲が低下している中でも摂取しやすいドリンクタイプゼリータイプのものです。


とろみ調整食品

 飲み物でむせやすい方は、誤嚥(ごえん)性肺炎の予防のために、とろみ調整食品を備えましょう。小分けタイプが使いやすいです。

食品パッケージのアレルギー表示

食物アレルギーのある方

アレルギー対応食品

アレルギー対応食品などの特殊食品は、災害時に手に入りにくくなります。普段使っているアレルギー対応食品を多めに買い置きしましょう。

管理栄養士のお悩み相談部屋

ローリングストックのために、家庭ではどのような備蓄品を用意したらいいの?

普段料理をされる方は、梅干しや缶詰めなどの食材や加工品がおすすめです。また、普段あまり料理をされない方はカップラーメンや、パックご飯、野菜ジュースなど、すぐに摂取できる食品や飲料を用意しておきましょう!

家庭備蓄の例(1週間分/大人1人分)

以下を参考に、家族の人数分を備えましょう。
たくさんの水のペットボトル

必需品

・水:2L×12本(※1日3L程度)

・カセットコンロ

・カセットボンベ:6本

パックご飯

主食

・お米:2kg

・カップ麺:3個

・パックご飯:3個

・乾麺:うどん、そばなど

たくさんの缶詰

主菜

・レトルト食品:牛丼の素やカレーなど9食分、パスタソース3食分

・肉や魚の缶詰め:9缶

インスタントみそ汁

副菜・その他

・日持ちする野菜類:たまねぎ、じゃがいもなど

・インスタントみそ汁や即席スープ

・梅干し

・乾物:乾燥わかめなど

・調味料

・ジュース:野菜ジュースなど

  • 野菜を持ってる管理栄養士
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栄養だより2023年9月号(PDF)

【参考文献】農林水産省.”災害時に備えた食品ストックガイド”.https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/guidebook.html(閲覧日:2023年8月17日)

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