血糖値の上昇を防ぐ!食事のコツ【栄養だより2019年11月号】
栄養のはなし
糖尿病リスクの指標となる「血糖値」とは
エネルギー源となるブドウ糖の濃度を表す「血糖値」
血糖値は、食事の量や運動によっても変化しますが、健康な人はインスリンがうまく働くことで一定の範囲内に収まっています。
血糖値が高いとなぜ悪いの?
知っておこう!血糖値に関する数値
血液中のブドウ糖濃度を表す数値のことで、空腹時の血糖値の状態を知ることができる。食事の内容や時間によって変動しやすい。空腹時血糖が126mg/dl以上の場合には、受診が必要となる。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
血液中のヘモグロビンのうち、 糖と結合しているもの。直近1~2か月の血糖値の状態を知ることができる。直前の食事に左右されないため、比較的正しい数値を測定できるが、普段の食事にばらつきがあると値が高くなりやすい。HbA1c の値が6.5%以上の場合には、受診が必要。
11月14日は「世界糖尿病デー」
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WHO(世界保健機関)では毎年11月14日を「世界糖尿病デー」と定め、世界各地で糖尿病の予防、治療、療養を喚起する啓発運動を行っています。糖尿病について考え、予防に向けて自身の生活習慣を見直してみましょう!
食事のひと工夫で防ごう!食後高血糖
食後高血糖とは?
食事を摂ると、血糖値は一時的に上昇しますが、健常な方の場合、徐々に正常値(110mg/dl未満)まで戻ります。しかし、インスリンが正常に機能しない場合、血糖値は正常値まで戻りません。食後高血糖は、空腹時血糖値は正常であることから、「隠れ糖尿病」とも言われており、注意が必要です。
ポイントは食事の「バランス」と「順番」
また、「食物繊維(野菜・海藻・きのこ)」→「たんぱく質」→「炭水化物」の順に食べることで、血糖値の上昇が緩やかになります。糖質の多い野菜(かぼちゃ・いも類)は炭水化物と同様、最後に食べるようにしましょう。
食事の基本は「一汁三菜」です。主食である「ご飯」に「汁物」と3つの「菜(おかず)」を組み合わせることで、バランスの良い食事が完成します。
血糖値の上昇を抑える食べ方
1.副菜
2.主菜
3.主食
【参考文献】 厚生労働省. “平成29年国民健康・栄養調査報告”. https://www.mhlw.go.jp/content/000451755.pdf, 糖尿病治療研究会. “血糖の働きを知り、健康づくりに役立てよう”. 10月8日は、糖をはかる日. https://dm-net.co.jp/10-8/learn/ippan.php, 大正製薬株式会社. “血糖値について知ろう!”. 大正製薬ダイレクトオンラインショップ. https://www.taisho-direct.jp/simages/contents/column/life/kettouchiknow/, オムロンヘルスケア. “vol.89 食後高血糖と隠れ糖尿病”. https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/89.html, 沢井製薬株式会社. “気を付けよう!血糖値と生活習慣”. https://med.sawai.co.jp/file/mate/open/02dfef5e-9b0d-452b-9fd9-be66eb21619c00000000027E7575.pdf, 農林水産省. “日本の食文化としての和食”. http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wasyoku.html, 日本イーライリリー株式会社. “高血糖とは食後高血糖~血糖値パターン~”. 知りたい!糖尿病. https://www.diabetes.co.jp/dac/diabetes/hyperglycemia
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