むくみの原因と対策を知ろう！【栄養だより2021年10月号】

栄養のはなし

日本調剤の薬局（一部のみ）では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。

夕方になると足がむくんで、靴がきつく感じることはありませんか？そんなむくみの原因は大きく分けて2つあります。１つ目は病気によるもの、２つ目は生活習慣や食事によるものです。今回は生活習慣や食事が原因のむくみを解消する方法をご紹介します。

「むくみ」とは？

人の体は、約60％が水分で構成されています。これらの水分は、細胞や血管の中を循環して体内の水分バランスを保ちながら、細胞に栄養を送ったり老廃物を除去する役割を担っています。

「むくみ」とは、体内の水分バランスが崩れ、細胞の間に水がたまり、異常に増加した状態のことです。医学用語ではむくみのことを「浮腫（ふしゅ）」といいます。

むくみやすさチェック

□　長時間立ちっぱなしや座りっぱなしでいることが多い

□　寝不足気味

□　あまり体を動かさない

□　体が冷えやすい

□　塩辛い食品を好んで食べる

□　アルコール類を飲む

これらの項目は全てむくみの原因となるため、当てはまるチェックの個数が多いほどむくみやすい傾向にあります。

今日からはじめよう！むくみ対策

体を動かす

普段から体の血行を良くしておくことがむくみ対策には有効です。定期的に運動する習慣を身に付けたり、普段から階段を使う、できるだけ早足で歩くなど、特にむくみやすい足を動かすことを意識してみましょう。

弾性ソックス・ストッキングを着用する

足がむくみやすい人におすすめなのが弾性ソックスやストッキングです。ふくらはぎや足首を圧迫することで血管やリンパ管を刺激して、足にたまりがちな血液やリンパ液を戻しやすくし、むくみを予防します。

体を冷やさない

体が冷えると血行が悪くなり、むくみやすくなります。特に足はむくみやすいので足首からふくらはぎを冷やさないことが重要です。足が冷えたと感じた日は湯船に浸かって体を温めるか、時間がないとき時は足湯をして冷えを解消してから就寝しましょう。

食事からむくみを予防しよう！

ご存じですか？塩分の摂り過ぎがむくみの原因に！

人間の体には体内の塩分濃度を一定に保とうとする働きがあるので、塩分をたくさん摂取すると体の塩分濃度を薄めようと体内に水分を溜め込みます。それが原因でむくみやすくなってしまうため、塩分の摂り過ぎには注意が必要です。

むくみ予防におすすめの栄養素：カリウム

カリウムには体内のナトリウム（塩分）を排泄する働きがあるので、むくみ予防におすすめです。カリウムを豊富に含む食材をいくつかご紹介します。

※腎機能が低下している方は医師の指示に従ってください。

管理栄養士のお悩み相談部屋

みそ汁は発酵食品だから体にいいと聞くけれど、むくみが気になるから塩分が心配……。1日何杯までなら飲んでも大丈夫？

みそ汁に含まれる塩分量は１杯当たり1.5g程度です。その他の料理に含まれる塩分量とのバランスを考え、塩分の過剰摂取を防ぐためには1日1杯程度

にするのがよいでしょう。また、みそ汁を作る際にはだしの風味を効かせたり、具だくさんにして汁を少なくするとおいしく減塩できますよ。

●1日の塩分摂取目標量●

男性　7.5g未満

女性　6.5g未満

高血圧症の方（男女ともに）　6g未満

●食品に含まれる塩分量の目安●

食パン6枚切り1枚…0.7g

カップ麺1食…5.1g

梅干し1個…2.2g

ちくわ1本（30g）…0.6g

日本調剤の「認定栄養ケア・ステーション」では、地域密着型の栄養ケアの拠点として幅広く手厚いサポートを行っています。疾病に関する食事療法のご相談や献立の考案も承りますのでご相談ください。

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栄養だより2021年10月号（PDF）

【参考文献】クラシエホールディングス株式会社.”むくみは病気のサイン？むくみの原因や解消法は？”.https://www.kracie.co.jp/ph/coccoapo/magazine/11.html,MSD株式会社.”かしこく改善！高血圧症の方の食事”,文部科学省.”日本食品成分表2020七訂”,文部科学省.”食品成分データベース”.https://fooddb.mext.go.jp/index.pl