毎日を元気に過ごすために!「よい睡眠」をとろう【栄養だより2024年3月号】

栄養のはなし

就寝中の人と目覚まし時計
日本調剤の薬局(一部のみ)では、季節に合わせた健康情報をお届けする情報紙として、毎月「栄養だより」を配布しています。ご自身の食事や健康に興味を持ち、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたいという思いから、管理栄養士が健康に関する情報を発信しています。その中から一部内容を編集してご紹介します。

睡眠が持つ役割

睡眠にはノンレム睡眠(深い眠り)レム睡眠(浅い眠り)があり、この2種類を複数回繰り返すことで、脳が休まり体も回復します。毎日をいきいきと過ごすためには、日中に眠気を感じず、翌日を元気に過ごせるような「よい睡眠」をとることが大切です。特に春は、一日の中での寒暖差や気圧の変動が大きく、また年度が変わる時期でもあるため、環境の変化から睡眠不足になる方もいるのではないでしょうか。

今回は睡眠の質と時間について学びましょう。

世代別の睡眠時間の目安とポイント

●子ども
睡眠時間の目安
小学生は9~12時間、中学生・高校生は8~10時間
ポイント
夜更かしや朝寝坊が習慣化すると、睡眠障害として朝起きることが難しくなる場合があります。朝食を摂り、1日60分以上体を動かすことで、夜更かし・朝寝坊を予防しましょう。また、日中に活動することは昼夜のメリハリにもつながります。
●成人
睡眠時間の目安
6時間以上
ポイント
平日の睡眠不足を取り戻すために休日に長く眠る「寝だめ」をする方もいますが、実際には睡眠をためることはできません。寝だめは睡眠時間が足りていないサインです。休日も平日と同じ時刻に起きる習慣をつけましょう。
●高齢者
睡眠時間の目安
6時間以上(寝床に入っている時間は8時間以内)
ポイント
睡眠で休息がとれている感覚(睡眠休養感)が得られるような睡眠時間を見つけましょう。

質のよい睡眠のための4つのポイント

睡眠の質がよいと、脳と体を十分に休めることができ、心や体の健康維持につながります。以下では、質のよい睡眠をとるための4つのポイントについてご紹介します。
ベッドの上に置かれている目覚まし時計

(1)規則正しい生活を送り、体内時計を整える

体内時計には、睡眠のタイミングやホルモンの分泌、生理的な活動を調整する働きがあります。規則正しい生活を送ったり、起床後に朝日を浴びたりすることで、体内時計が整います。

緑道をウォーキングする女性の後ろ姿

(2)運動の習慣をつける

運動する習慣をつけることで、寝つきが良くなり熟睡しやすくなります。早足での散歩や、軽いランニングなどの運動方法がおすすめです。

浴槽にはられたお湯

(3)入浴のタイミングと温度を工夫する

就寝の2~3時間前に湯船につかると、入浴によって上がった体温が、寝るときに適度に下がり、その結果寝つきがよくなります。38度程度のぬるめの温度では25~30分、42度程度の熱めの温度では5分程度つかるとよいでしょう。

コーヒー

(4)就寝前にはカフェイン・アルコールの摂取を控える

コーヒーや緑茶、チョコレートなどにはカフェインが含まれているため、就寝前は摂取を控えましょう。また、アルコールは適量にとどめ、寝酒は避けましょう。

管理栄養士のお悩み相談部屋

最近眠りが浅く、目覚めもスッキリしなくて困っています。睡眠の改善につながるおすすめの食品はありますか?

睡眠の質向上によいと考えられている栄養素である、グリシンやトリプトファンなどを含む食品がおすすめです。

睡眠の質向上におすすめの栄養素と食品

グリシン

アミノ酸の一種であるグリシンには、体の中心温度を下げて、自然な睡眠を導く効果があるとされています。また、深い眠りであるノンレム睡眠の時間が増加するともいわれています。牛すじや鳥なんこつ、えび、かになどの食品に豊富に含まれます。

トリプトファン

必須アミノ酸の一種であり、乳製品や卵、バナナなどの食品に含まれているトリプトファンには、「セロトニン」という気持ちを落ち着かせるホルモンの生成を助ける働きがあります。セロトニンは体内では生成されないため、食事から摂取する必要があり、生成にはビタミンB6が必要です。ビタミンB6は玄米やサケ、マグロ、バナナに含まれます。トリプトファンを含む食品と一緒に摂りましょう。

  • 野菜を持ってる管理栄養士
    日本調剤の管理栄養士へのご相談は、処方箋をお持ちでない方でも、どなたでもご利用いただけます。病気というほどではないけれど、ちょっと健康のことが気になるな……睡眠の質向上につながる食事のポイントについてもっと知りたい方は、ぜひお気軽に、お近くの日本調剤までお立ち寄りください。また、薬局にご来局いただかなくても、オンライン栄養相談でも皆さまの食事・栄養をサポートしております。オンライン栄養相談をご希望の方は「栄養相談/認定栄養ケア・ステーション」を選択の上、お問い合わせください。
栄養だより2024年3月号(PDF)

【参考文献】日本ジェネリック株式会社.”睡眠とは~よく眠れない方へ”.https://medical.nihon-generic.co.jp/uploadfiles/materials/SUIMIN_BOOK.pdf,厚生労働省.”健康づくりのための睡眠ガイド2023(案)”.https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37017.html,山口市保健センター.”睡眠 質の良い睡眠を取る方法”.こころ ほっと やまぐち.https://www.city.yamaguchi.lg.jp/site/kokorohot/23576.html,株式会社わかさ生活.”グリシン”.わかさの秘密.2016年3月3日.https://himitsu.wakasa.jp/contents/glycine/,パルシステム共済生活協同組合連合会.”5月の家族の健康レシピ”.https://www.palsystem-kyosai.coop/navi/20170501001.html(閲覧日:2024年2月22日)

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